日本産糸状菌類図鑑 No.40 before← →next ↑top 

Magnapothe grisea (Hebert) Barr [Pyricularia grisea (Cooke) Sacc.]
  分類:子のう菌門,小房子のう菌綱,クロイボタケ目,モジカビ科

日本全国に分布。イネいもち病を引き起こし,被害が非常に大きい。他のイネ科作物や野生植物からも分離される。分生胞子を飛散して蔓延する。子のう胞子は自然条件下ではほとんど観察されない。


性状(機能):植物病原菌    病徴JPEG(115kb)

形態:
 有性世代:培地上の対峙培養で形成。子のう殻は暗褐色〜黒色,円筒形の頸状の開口部をもち,その中に円筒形〜亜棍棒形の子のうを形成する。子のう胞子は無色,紡錘形,わずかに湾曲し,大きさ17-21×5-7μ,2-3隔壁をもつ。
 無性世代:
淡褐色の分生子柄上に,無色〜淡オリーブ褐色,倒洋梨形,大きさ17-28×6-9μ,1-3隔壁をもつへその突出した分生胞子を形成する。 
分生胞子  

農環研所蔵標本

標本番号 菌種 宿主和名 宿主学名 症状 採集地 採集年月日 採集者
113-1-83 Pyricularia grisea メヒシバ Digitaria adscendens いもち病 神奈川県足柄下郡下曽我村 1928.7.27 田杉
113-1-84
113-1-88 山口県豊浦郡安岡駅 1932.7.22
242-1-2 千葉県松戸付近 1931.9.21
242-1-7 千葉 1931.7.27
242-1-8 千葉県印旛郡
242-1-9 千葉
242-1-31 千葉県印旛郡
242-1-39 千葉
251-2-46 メヒシバ? Digitaria adscendens? 茨城県東茨城郡 1927.8.16 かわしま
251-2-48 静岡県富士郡岩松村 1928.8.15 田杉
251-2-49 茨城県東茨城郡 1928.8.16 かわしま

(記述および図版提供者:月星隆雄,農環研,微生物分類研究室,2002)


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