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情報:農業と環境 No.86 (2007.6)
独立行政法人農業環境技術研究所

本の紹介 232: 地球の悲鳴 −環境問題の本100選− 陽 捷行 著、 アサヒビール株式会社 発行、 清水弘文堂書房 (2007) ISBN 978-4-87950-579-8 C0040

地球、地域レベルでの環境問題が報じられない日は皆無である。特に温暖化や局地的な暴風雨などの異常気象が国内でも明確に感じられ、身近な生活にも大きな不安として認識されるようになってきた。世界各地で発生している環境問題が、食糧生産、生物多様性、大気・地球・水環境などに多くの影響を及ぼし、近い将来、人類の生存に由々しき局面を迎えるであろうことが懸念される。

本書は、農業環境技術研究所の「情報:農業と環境」および北里大学学長室通信の「情報:農と環境と医療 (ページのURLが変更されています。2014年12月) 」で、著者の環境に対する念(おも)いも込めた「本の紹介」として書かれたものから100冊を選抜し、「アサヒ・エコ・ブックス・シリーズ」の1冊として出版された。

著者は、本書の「はじめに」で、「環境とは人間と自然の間に成立するもので、人間の見方や価値観が色濃く刻み込まれるもの」、「人間の文化を離れた環境というものは存在しない」、「21世紀のわれわれに期待されるものはなにか。それは、環境倫理のもとに20世紀に獲得した技術と俯瞰(ふかん)的認識で、あらたな知を獲得することであろう」と述べている。

このような考えから、本書で紹介されている一連の書籍は、地球環境で生じている多様な現象の科学的解析、環境倫理、環境リスク、環境経済、食糧問題など、きわめて広範なテーマを扱っている。近年、環境問題を扱った本が多数出版されているが、いま何が起こっているのか、生活の中でさまざまな環境問題とどのように対峙(たいじ)し、問題の解決をはかるべきかを考えるための情報源として有用な書である。

紹介されている書籍および著者(編者)は以下の通りである。

生態系を破壊する小さなインベーダー(クリス・ブライト 著)/わが国の失われつつある土壌の保全をめざして(日本ペトロジー学会 編)/失われた森(レイチェル・カーソン 著)/地下水の硝酸汚染と農法転換(小川吉雄 著)/生命と地球の共進化(川上紳一 著)/水不足が世界を脅かす(サンドラ・ポステル 著)/地球を守る環境技術100選(公害対策技術同友会 編)/農山漁村と生物多様性(宇田川武俊 著)/鎮守の森(宮脇昭・板橋興宗 著)/大気環境学(真木太一 著)

Earth System Science From Biogeochemical Cycles to Global Changes(Michael Jacobson ら 著)/酸性雨研究と環境試料分析(佐竹研一 編)/共生生命体の30億年(リン・マーギュリス 著)/化学物質は警告する(常石敬一 著)/マングースとハルジオン(服部正策・伊藤一幸 著)/Trace Gas Emissions and Plants(S. N. Singh 編)/アジア環境白書2000/01(日本環境会議「アジア環境白書」編集委員会 編)/生命誌の世界(中村桂子 著)/宇宙は自ら進化した(リー・スモーリン 著)/縄文農耕の世界(佐藤洋一郎 著)

農的循環社会への道(篠原孝 著)/水と生命の生態学(日高敏隆 著)/リスク学事典(日本リスク研究学会 編)/Cadmium in Soils and Plants(M. J. Mclaughlin 編)/環境の哲学(桑子敏雄 著)/1万年目の「人間圏」(松井孝典 著)/環境土壌物理学(ダニエル・ヒレル 著)/社会的共通資本(宇沢弘文 著)/地球温暖化の日本への影響2001(環境省地球温暖化問題検討委員会 編)/環境と文明の世界史(石弘之・安田喜憲 著)

地球白書2001/02(レスター・ブラウン 編著)/環境の人類誌(青木保・内堀基光・梶原景昭・小松和彦・清水昭俊ほか 編)/日本土壌の有害金属汚染(浅見輝男 著)/持続可能な農業への道(大日本農会 編)/化学物質と生態毒性(若林明子 著)/Soils and Environmental Quality (G. M. Pierzynski, J. T. Sima, G. F. Vance 編)/世界の環境危機地帯を往く(マーク・ハーツガード 著)/全予測 環境&ビジネス(三菱総合研究所 著)/ENvironmental Restoration of Metals - Contaminated Soils(I. K. Iskandar 編)/大気環境変化と植物の反応(野内勇 編著)

農業における環境教育(全国農業協同組合連合会・全国農業協同組合中央会)/生ごみ・堆肥・リサイクル(岩田進午・松崎敏英 著)/レスター・ブラウンの環境革命(レスター・ブラウン 編著)/農から環境を考える(原 剛 著)/内分泌かく乱物質問題36のQ&A(日本化学工業協会エンドクリンワーキンググループ 著)/昆虫と気象(桐谷圭治 著)/有機物の有効利用Q&A(上村幸廣 著)/OECDリポート農業の多面的機能(OECD 著)/環境保全と新しい施肥技術(安田 環・越野正義 著)/環境考古学のすすめ(安田喜憲 著)

水俣病の科学(西村 肇・岡本達明 著)/共生の思想(藤原鎮男 著)/熱帯土壌学(久馬一剛 編)/中山間地と多面的機能(田渕俊雄・塩見正衛 編著)/環境の時代を読む(宮崎公立大学公開講座広報委員会 編)/エコ・エコノミー(レスター・ブラウン 著)/地球白書2002/03(クリストファー・フレイヴィン 編著)/Restoration of Inland Valley Ecosystems in West Africa(S. Hirose, T. Wakatsuki 編)/Nitrogen in the Environment; Sources Problems and Management(R. F. Follett, J. L. Hatfield 編)/環境学の技法(石弘之 編)

Climate Change;Implications for the Hydrological Cycle and for Water Management(Martin Beniston 編)/環境保全型農業(全国農業協同組合連合会・全国農業協同組合中央会 編)/Global estimates of gaseous emissions of NH3,NO and N2O from agriculturad land(IFA and FAO 編)/農業にとって進歩とは(守田志郎 著)/Report of the International SCOPE Nitrogen Project - The Nitrogen Cycle at Regional to Global Scalas(E. W. Boyer, R. W. Howarth 編)/反近代の精神(熊沢蕃山・大橋健二 著)/私の地球遍歴(石弘之 著)/多文明共存時代の農業(高谷好一 著)/A Better Future for the Planet Earth - Lectures by the Winners of the Blue Planet Prize(The Asahi Glass Foundation 編)/地球生命圏(ジェームズ・ラヴロック 著)

ガイアの時代(J・E・ラヴロック 著)/農業と人間編(西尾敏彦 編)/農業技術を創った人たち(西尾敏彦 編)/環境科学の歴史1(ピーター・J・ボウラー 著)/地球と文明の周期(小泉格・安田喜憲 編)/環境と農業(西尾道徳・守山弘・松本重男 編著)/地球と文明の画期(伊東俊太郎・安田喜憲・梅原猛 編)/世界の森林破壊を追う(石弘之 著)/ダイオキシン-神話の終焉(渡辺正・林俊郎 著)/農耕と文明(梅原猛・安田喜憲 編)

日本海学の新世紀3(小泉格 編)/生命40億年全史(リチャード・フォーティ 著)/エコ・エコノミー時代の地球を語る(レスター・ブラウン 著)/地球白書 2003/04(クリストファー・フレイヴィン 編著)/新・生物多様性国家戦略(環境省 編)/環境負荷を予測する(長谷川周一・波多野隆介・岡崎正規 編)/土壌の神秘(ピーター・トムプキンス、クリストファー・バード 著)/地球の水が危ない(高橋裕 著)/環境保全型農業の課題と展望(大日本農会 編)/地球温暖化(大政謙次・原沢英夫・遺伝学普及会 編)

農業生態系における炭素と窒素の循環(農業環境技術研究所 編)/プランB(レスター・ブラウン 著)/食料と環境(大賀圭治 著)/地球白書2004/05(クリストファー・フレイヴィン 編著)/環境危機をあおってはいけない(ビョルン・ロンボルグ 著)/文明の環境史観(安田喜憲 著)/環境リスク学(中西準子 著)/農業本論(新渡戸稲造 著)/カナダの元祖・森人たち(あん・まくどなるど・磯貝浩 著)/安全と安心の科学(村上陽一郎 著)/成長の限界(ドネラ・H・メドウズほか 著)/文明崩壊(ジャレド・ダイアモンド 著)/フード・セキュリティー(レスター・ブラウン 著)

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