国立行政法人農業環境技術研究所は、2015年11月12日(木曜日)、「農業環境技術公開セミナー in 秋田 ―環境と食の安全を守る農業環境研究―」を開催しました。
農業環境技術公開セミナーは、農業環境にかかわる研究成果を地方自治体に広く紹介し、農業環境技術に対する相互理解や連携・交流・協力関係を深めることを目的に、都道府県の協力を得て毎年開催しているものです。今年度は秋田県農業試験場の共催、農研機構東北農業研究センターの後援により、秋田県農業試験場講堂での開催となりました。
今回のセミナーでは、環境保全型農法の評価手法や農産物に対するカドミウムのリスク低減技術などについて5名の研究者が紹介しました。
開催日時: 2015年11月12日(木曜日) 13時−16時30分
開催場所: 秋田県農業試験場講堂 (秋田県秋田市雄和相川字源八沢34−1)
主催: 国立研究開発法人農業環境技術研究所
共催: 秋田県農業試験場
後援: 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター
参加者数: 73名
(内訳: 農業者5名、農業研修生6名、学生1名、農業関係団体1名、企業等7名、秋田県(行政)17名、秋田県農業試験場26名、農研機構東北農業研究センター2名、農環研8名)
プログラム:
セッション1:環境負荷の少ない農業を目指して
「指標生物を用いた環境保全型農法の評価と今後の展望」
農業環境技術研究所 生物多様性研究領域 任期付研究員 馬場 友希
「物理的防除資材を利用した食用ぎくのアザミウマ類に対する減農薬防除技術」
秋田県農業試験場 生産環境部 病害虫担当 主任研究員 菊池 英樹
「『ウリ科野菜ホモプシス根腐病被害回避マニュアル』および『追補版』について」
農研機構東北農業研究センター 生産環境研究領域 主任研究員 永坂 厚
セッション2:農作物の更なる安全性の確保に向けて
「わが国のイネの低カドミウム化に向けて 〜コシヒカリ環1号の開発と応用〜」
農業環境技術研究所 土壌環境研究領域 上席研究員 石川 覚
「重金属対策技術の開発・実証と安全安心な農産物供給の取り組みについて」
秋田県農業試験場 生産環境部 土壌基盤担当 主任研究員 伊藤 正志
総合討議
会場からは、生物多様性指標にかかわる調査として魚類やプランクトン類の調査の必要性、放射性セシウムやヒ素など、カドミウム以外の有害化学物質に対する研究開発状況など多くの質問が出されるとともに、総合討議では、開発した技術を広く普及する上での課題や方策などについて討議が行われました。
また、参加者へのアンケートでは、「発表の内容がとてもわかりやすく良かった」、「コシヒカリ以外のイネ品種や大豆・小麦品種の低カドミ化を期待する」などの感想や意見が寄せられました。