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MARCOシンポジウム2015 サテライトワークショップ
国際的な耕地微気象観測網による気候変動下のイネ高温障害リスク評価の革新
MARCO Symposium 2015 Satellite Workshop;
the kick-off meeting on “MINCERnet: Multi-site monitoring network of canopy micrometeorology and heat stresses of rice under the climate change”

(2015年11月24日−26日 つくば)

MARCO logo

国立研究開発法人農業環境技術研究所は、平成27年11月24日(火曜日)から26日(木曜日)まで、文部科学省研究交流センター(茨城県つくば市竹園2丁目20−5)において、MARCOシンポジウム 2015 サテライトワークショップ 「国際的な耕地微気象観測網による気候変動下のイネ高温障害リスク評価の革新」 (MARCO Symposium 2015 Satellite Workshop; the kick-off meeting on “MINCERnet: Multi-site monitoring network of canopy micrometeorology and heat stresses of rice under the climate change” (November 24-26, 2015, Tsukuba) ) を開催します。

開催趣旨

コメは世界人口の半数以上が主食とする重要な作物ですが、世界の高温稲作地域ではイネの高温障害が頻発しており、各国の高温不稔の実態把握や温暖化による高温障害の激化等の影響予測が急がれています。しかし、高温不稔に直接関与する穂温は、群落上の一般的な気温とは異なり、そのギャップが高温障害の発生要因の解明や正確なリスク評価を妨げています。このような背景から、2009年のMARCOシンポジウムを契機として、水田群落内の気温・湿度のモニタリングによるイネ高温障害の実態解明を目的とする耕地微気象観測ネットワーク(MINCERnet)を組織し、アジアを中心とする8か国で研究を開始してきました。その後、アフリカの3か国を加えて、ネットワークを世界のコメ生産主要部を横断する広範な気候帯に拡大するとともに、高温耐性品種の導入や高温・乾燥の複合ストレスの影響評価など、将来を見据えた新たな視点でのモニタリングを開始しつつあります。

そこで、MINCERnet の国内外の研究協力者が一堂に会する本ワークショップを開催し、世界のコメ生産地における気候変動と高温障害の実態について紹介し、参加者の皆さんと議論します。あわせて、これまでの各国の耕地微気象とイネ高温障害のモニタリング結果を総括するとともに、これからのモニタリングについて意見交換を行い、今後の研究の展開と MINCERnet の活動方針について議論します。

開催時期: 2015年11月24日(火曜日) 9時 〜 26日(木曜日) 17時

開催場所: 文部科学省研究交流センター (茨城県つくば市竹園2丁目20−5)

主催: 国立研究開発法人 農業環境技術研究所

共催: 国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター

後援: 農林水産省 農林水産技術会議事務局国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構日本農業気象学会日本作物学会

参加対象: 国立研究開発法人、大学、行政部局、民間団体、海外研究機関の研究者 など

英語PDF
MARCO Symposium 2015 Satellite Workshop; the kick-off meeting on “MINCERnet: Multi-site monitoring network of canopy micrometeorology and heat stresses of rice under the climate change” (November 24-26, 2015, Tsukuba)
(PDF)

プログラム (予定)

■ 11月24日(火曜日)

[午前]

多国間耕地微気象モニタリングネットワーク(MINCERnet)趣旨説明

吉本真由美(農業環境技術研究所)

世界のコメ生産地における気候変動と高温障害等環境ストレスの実態の報告

中国長江中流域におけるイネ高温障害と群落微気象に関する最新動向

Xiaohai Tian (Yangtze University, 中国)

水稲移植密度と群落微気象がコメの収量と品質に及ぼす影響

Chwen-Ming Yang (Taiwan Agricultural Research Institute, 台湾) and Huu-Sheng Lur (National Taiwan University, 台湾)

大気CO2濃度上昇がイネの高温ストレスを助長する−FACE実験でのMINCER測定

吉本真由美・福岡峰彦・臼井靖浩・長谷川利拡・中村浩史(農業環境技術研究所)

フィリピンイネ研究所における高温条件下の遺伝子型の収量応答

Norvie L. Manigbas (Philippine Rice Research Institute, フィリピン)

[午後]

ミャンマーにおけるコメ収量と高温ストレスの現況

Tin Tin Myint (Department of Agricultural Research, ミャンマー)

イネの高温と乾燥ストレスの相互作用:MINCERデータによる耐性メカニズムの生理的解剖

Chenniappan Vijayalakshmi and Dhashnamurthi Vijayalakshmi (Tamil Nadu Agriculture University, インド)

スリランカにおける高温と乾燥ストレスのイネへの影響

W.M.W.Weerakoon (Field Crop Research and Development Institute, スリランカ)

アメリカのコメ産業と夜温の影響に関する現況

Lee Tarpley and A. R. Mohammed (Texas AgriLife Research, アメリカ合衆国)

アフリカイネセンターにおけるMINCERnet測定

Elke Vandamme, Kokou Ahouanton, Abdoulaye Sow, Kazuki Saito and Pepijn A.J. van Oort (Africa Rice Center)

ガーナ北部の氾濫生態系におけるコメ収量と圃場環境の地形によるダイナミクス

辻本泰弘(国際農林水産業研究センター)and Wilson Dogbe (Savanna Agricultural Research Institute, ガーナ)

総合討論

■ 11月25日(水曜日)

[午前]

これまでのMINCERnetの結果の総括と今後の展開についての提案

吉本真由美(農業環境技術研究所)

今後のMINCERnetにおいて新たに展開すべき課題についての動向

高温耐性の遺伝的差異

松井勤(岐阜大学)

高温・乾燥複合ストレス

吉本真由美(農業環境技術研究所)

早朝開花による高温遭遇回避

小林和広(島根大学)

圃場内における開花頴花分布による高温遭遇リスクモデル

長谷川利拡・吉本真由美・酒井英光・福岡峰彦(農業環境技術研究所)

総合討論

[午後]

今後のMINCERnetにおける測定ガイダンス

・MINCERによる群落微気象測定

 福岡峰彦(農業環境技術研究所) 

・簡易ウェザーステーション

 吉本真由美(農業環境技術研究所)

・高温×乾燥試験における土壌水分測定

 吉本真由美(農業環境技術研究所)

・圃場内の開花時刻分布モニタリング

 小林和広(島根大学)      

・稔実、収量調査

 吉本真由美(農業環境技術研究所)

■ 11月26日(木曜日)

今後の研究計画ととりまとめ最終確認

見学会(つくばみらいFACE実験施設など)

参加登録方法:参加をご希望の方は、下記の必要事項をご記入の上、電子メールまたはファックスで、事務局あてにお申し込みください。(当日受付もあり)

[必要事項]

氏名:

所属:

連絡先:

電話:

電子メール:

事務局: 国立研究開発法人 農業環境技術研究所
大気環境研究領域 吉本真由美
〒305-8604 茨城県つくば市観音台3-1-3

TEL: (029) 838-8205 FAX: (029) 838-8211  E-mail: yoshimot@affrc.go.jp

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