農業環境技術研究所 最終更新日: 2008年 7月16日 農環研NIAESロゴ
 7月のセミナー予定
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セミナー開催記録

温室効果ガスRPセミナー
(平成20年度 第2回)
日 時 : 平成20年7月10日(木)13:00~14:00
場 所 : 4F会議室(453号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
メコンの水循環モデルについて 早野 美智子
(農環研)

838-8330
内   容
 平成20年3月末まで農水省委託プロジェクト研究「水循環」(通称:水循環プロ)で携わっていた、メコン流域の河川や水田の水収支モデル、作物モデル、そして対象国の社会経済モデルを統合した「AFFRC水ー食料モデル」の概要と特徴について説明する。

有機化学物質研究領域セミナー
(平成20年度 第2回)
日 時 : 平成20年7月11日(金)16:00~17:30
場 所 : 5F中会議室(547号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
米国カリフォルニア州のイチゴ生産における臭化メチル
土壌消毒剤の代替技術と有機農法に関する研究動向

Trends in studies on farming with methyl bromide alternatives and organic production in California strawberries.
村本 穣司
カリフォルニア大学サンタクルーズ校コミュニティ・アグロエコロジー・プログラム (Program in Community and Agroecology (PICA), University of California, Santa Cruz)
岩船 敬
838-8302
内   容
 アメリカのイチゴ生産量は105万トン(2006年)と世界一多く、その85%がカリフォルニア州で生産されている。一方「カリフォルニア・モデル」と呼ばれ、世界各地に普及してきたその栽培法は、臭化メチルによる土壌消毒を基盤技術とした大規模露地栽培であり、モントリオール条約によりオゾン層破壊物質である臭化メチルの全廃が決定されて以来、臭化メチルを使用しないイチゴ生産への転換が進行中である。さらに最近州南部で代替くん蒸剤の利用が大気汚染による健康被害への懸念から規制されることになり、くん蒸剤を使用しないイチゴ生産に関する研究が重点課題となっている。化学的に合成された農薬を全く使用しない有機栽培イチゴの作付面積は近年急増し、2005年には州全体の4%に達した。演者の参加している学際的研究プロジェクトは州内イチゴ生産の一大拠点である中央沿岸地域において、日本とオランダで開発された土壌還元殺菌法の最適化と有機イチゴ栽培における肥沃度および病虫害管理に関する研究を行っている。本報では、その研究内容を中心に標記について報告する。


農業環境インベントリーセンターセミナー
(平成20年度 第3回)
日 時 : 平成20年7月16日(水) 13:30~15:00
場 所 : 5F中会議室(547号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
数値解析汎用ソルバーを用いた農耕地土壌からの硝酸態窒素の年間浸透流出量の算定 ‐無機態窒素溶脱量と地表面窒素収支量の関係‐
Simulating for the nitrate nitrogen leaching from agricultural land using PDE solver and its application
- Relationship between nitrate nitrogen leaching and land surface balance of nitrogen -
遠藤 明
(農環研)
白戸 838-8235

吉武 838-8348
内   容
 フリーソフトウェアの汎用数値解析ソルバーFlexPDEとHYDRUS-1Dモデルを用い、黒ボク土農耕地から浸透流出する水フラックスおよび硝酸態窒素フラックスを算定し両者のモデルの検証を行った。また、FlexPDEモデルを用い、栃木県思川集水域(土壌型:黒ボク土および灰色低地土)の(1)水田、(2)畑地、(3)樹園地および(4)草地から浸透流出する無機態窒素溶脱量と地表面窒素収支量の関係を明らかにしたので報告する。
テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
家畜ふん尿-水質への影響を評価する
Animal manure - Evaluation of influence on water quality
神山 和則
(農環研)
白戸 838-8235

吉武 838-8348
内   容
 購入飼料に依存した畜産では、農地で処理できない余剰ふん尿窒素が発生して いる。これらの余剰ふん尿窒素が水質へ及ぼす影響について定量的な評価を試みた。また、発生負荷量からみた地下水への窒素汚染リスクの算出について検討した。本セミナーではこれらの結果について報告する。


土壌環境研究領域セミナー
(平成20年度 第3回)
日 時 : 平成20年7月30日(水) 15:00~17:00
場 所 : 5F中会議室(547号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
シンクロトロン放射光を用いた高集積植物体内の元素動態解明 北島 信行
(株)フジタ
川崎
838-8313

山口
838-8315
内   容
 植物による重金属元素の高集積という現象には、1) 根からの吸収、2) 地上部への移行、3) 地上部組織での蓄積という3つのプロセスが存在しますが、重金属元素の輸送・蓄積過程には未解明の点が多いのが現状です。今回のセミナーでは高集積植物体内における元素動態の解明のためにシンクロトロン放射光(SR)を光源とした蛍光X線(XRF)分析を導入し、2種の高集積植物へ適用した研究成果を紹介します。
 SR光源によるX線ビームを研究に用いることのメリットは、高感度でかつ高空間分解能の測定を実施できることにあります。きわめて高輝度で、エネルギーを自由に変えられ、1μmサイズのマイクロビームを利用できるという分析プローブとして極度に高度化されたSRの利用によって、細胞レベルでの元素分布の可視化と 微小領域での化学状態評価を行う事が可能となります。
テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
酵母を用いたカドミウム耐性関連遺伝子の
スクリーニングから単離されたDcCDT1の機能解析について
倉俣 正人
(農環研)
川崎
838-8313

山口
838-8315
内   容
 メヒシバの根から抽出した全RNAを鋳型にcDNAライブラリ-を作製し、カドミウム感受性酵母株(Δycf1)を用いてカドミウム耐性遺伝子のスクリーニングを行った。最終的に15個まで絞り込んだカドミウム耐性クローンの中でDcCDT1と命名したクローンに注目した。この遺伝子はcDNAサイズ521bp(ORFは168bp)で55のアミノ酸からなるペプチドをコードしており、そのうち14残基(25%)がシステインであった。データベース検索の結果、イネやヤマカモジグサ、トウモロコシなどの単子葉植物から相同遺伝子の存在が確認された。このうち一つOsCDT1と単離したDcCDT1ついて酵母とシロイヌナズナの過剰発現株を用いCDT1のカドミウム耐性機構の解析を行った。


生物多様性研究領域セミナー
(平成20年度 第3回)
日 時 : 平成20年7月31日(木) 15:00~17:00
場 所 : 4F会議室(453号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
フキノメイガとツワブキノメイガ:
別種か?同種か?ホストレースか?

Incomplete host-plant associated differentiations of morphology and sex pheromone found in the butterbur borer moth Ostrinia zaguliaevi (Lepidoptera: Crambidae) and an allied: sibling species or host races?
田端 純
(農環研)

Jun TABATA
楠本
838-8245

山村
838-5321
内   容
 フキノメイガOstrinia zaguliaevi (Mutuura & Munroe)(チョウ目:ツトガ科)は,東シベリアから極東アジアにかけて分布し,我が国でも蕗の害虫として古くから知られている.フキノメイガの幼虫の食草は,フキPetasites japonicus (Sieb. & Zucc. )(キク科)以外には報告がなく,本種は単食性の昆虫であると考えられてきた.ところが,最近になって,同じキク科のツワブキFarfugium japonicum (L.)から,フキノメイガによく似たガの幼虫が採集された(仮にツワブキノメイガとする).このツワブキノメイガとフキノメイガの二者間における,生殖隔離の有無について,形態・性フェロモン・DNAの比較を通して考察する.
テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
タコノアシを用いた個体群レベルにおける
除草剤の生態リスク評価
Ecological risk assessment of rice herbicide at a population level using Penthorum chinense
池田浩明
(農環研)

Hiroaki IKEDA
楠本
838-8245

山村
838-5321
内   容
 農薬のリスク管理は、農薬の登録を申請する際のモデル水域生態系に対するリスク評価に基づいて実施されている。しかし、定められたリスク評価は個体レベルの室内毒性試験を機軸としており、実際の生態系からの乖離が問題視されている。この改善策として、個体群レベルのリスク評価が注目されている。そこで、準絶滅危惧植物タコノアシを用いて、生活史段階別に除草剤ベンスルフロンメチルの暴露試験を実施し、個体群レベルのリスク評価を行った結果、個体レベルの評価は生態リスクを過大評価する可能性が示唆された。


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