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主要研究成果 16

国内における線虫学関連文献目録の公開

[要約]
1997年から2006年にわが国で発表された線虫学に関係する文献データベースを公開しました。日本人が海外の雑誌に発表した文献なども採録し、この期間のわが国の線虫学に関わる文献情報のほとんどを閲覧することができます。
[背景と目的]
線虫は、土壌中で最も数が多く多様な多細胞動物で、環境指標、モデル生物、害虫防除などの有用性があり、作物の害虫として重要なものもあります。これまで農業環境技術研究所(農環研)が中心となって文献目録を作成していましたが、これをわが国の線虫研究の発展に役立てるため、データベース化を行い、公開しました。
[成果の内容]
 線虫学関連国内文献目録には、わが国で発行された学術雑誌などに掲載された線虫学関連文献のほか、外国の学術雑誌などに日本人が著した線虫学関連文献やわが国で得られた線虫を研究対象とした文献など、2009年3月現在4,902件の文献を採録しています。書籍や一部学会の講演要旨も採録対象に含みます。
 線虫の種類については、土壌線虫や植物寄生性線虫を始め、モデル生物として生化学や遺伝学の分野で利用される線虫の一種Caenorhabditis elegansや動物寄生性線虫、海洋線虫などあらゆる線虫を採録対象にしています。動物寄生性線虫については、大学や都道府県発行の報告など見落とされがちな文献に重点をおいて採録しています。
 本目録は、農環研のWebサイトからアクセスできます(http://nemadata.niaes.affrc.go.jp/list/menu.php図1)。著者名、発行年、文献の表題(タイトル)、誌名(書名)、巻・号、頁の採録項目に加えキーワードでも検索できます。本データベースでは複数項目の同時検索も可能です(図2)。検索を行う際の注意事項は、本文献目録のWebページに記してあります。
 本データベースには毎年新しいデータを追加します。現在最新のデータは2006年発表の文献約600件です。海外発行の学術雑誌に発表された文献は、発見、採録が1年程度遅れることがあります。このような文献や記載漏れの文献も把握でき次第追加します。今後、1996年以前の文献も追加する予定です。本目録は、わが国における既往の研究成果の効率的な調査に役立ちます。
リサーチプロジェクト名::環境資源分類・情報リサーチプロジェクト
研究担当者:生物生態機能研究領域 荒城雅昭、小坂 肇、前原紀敏((独)森林総合研究所)
発表論文等:1)荒城ら、日本線虫学会誌36: 39-72 (2006)
             2) 荒城、小坂、日本線虫学会誌37: 121-150 (2007)
             3) 荒城、小坂、日本線虫学会誌38: 119-149 (2008)

図表

図表

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