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第29回気象環境研究会
気候変動に対する植物の応答とその分子生物学的な理解に向けて
(2015年11月20日)

国立研究開発法人農業環境技術研究所は、2015年11月20日 (金曜日)、つくば国際会議場 (茨城県つくば市) において、第29回気象環境研究会 「気候変動に対する植物の応答とその分子生物学的な理解に向けて」 を開催します。

開催趣旨

地球温暖化に代表される地球規模での気候変化が、作物の生産におよぼす影響が懸念されています。将来にわたって安定した食料生産を維持するためには、二酸化炭素濃度の増加や気温上昇などの環境変化に対する作物の応答を正しく把握し、品種改良や栽培技術の開発などに取り組むことが重要です。

近年、植物の生理的な機能に関する分子生物学的な研究が進展し、植物の機能を支配する多くの遺伝子が特定され、それら遺伝子の環境応答を分子レベルで評価できるようになりました。次世代シーケンサーなどを用いて、遺伝子の発現の環境による変化を網羅的に調べることも行われています。分子生物学的な研究結果の大部分は、実験室内の制御された環境で得られますが、野外では光環境や気温・地温条件などの複数の環境がさまざまな時間スケールで変動し、実験室内の環境とは大きく異なっています。生態学や農業気象学の分野では、このように変動する環境に対する植物のさまざまな応答を、野外での計測やモデルを用いて理解し、それらを予測する試みが実施されてきました。

そこで、本研究会では、植物の環境応答に関わる野外での生態学・農業気象学的な研究と、主に実験室内で実施される分子生物学的な研究の双方を取り上げ、両者の相互理解を深めるとともに、今後の連携のあり方について議論します。その議論を通して、気候変動に対する植物の応答を分子レベルで理解し、それを実用的な研究に結び付けるためのヒントを探りたいと思います。

開催概要

開催日時: 2015年11月20日(金曜日) 13:00 〜 17:30

開催場所: つくば国際会議場(つくば市竹園2−20−3) 1階 大会議室101 [周辺地図]

主催: 国立研究開発法人 農業環境技術研究所

後援: 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構日本農業気象学会関東支部

参加費: 無料

参加登録: 当日配付資料の準備のため、参加者の概数を把握する必要がございますので、できるだけ、開催事務局 まで事前登録をお願いします。研究会終了後に作成する資料集の送付を希望される場合には、あわせて送付先住所もお知らせください。入手した個人情報は、研究会終了後、開催事務局が責任を持って破棄します。

プログラム

主催者挨拶

 宮下 C貴(農業環境技術研究所理事長)

本研究会の趣旨

 桑形恒男(農業環境技術研究所)

講演

(1) 地球環境変化と植物の生理生態

寺島一郎(東京大学)

(2) 気象条件が群落微気象におよぼす影響とイネの高温障害

吉本真由美(農業環境技術研究所)

(3) 群落レベルのイネの気孔コンダクタンスの変動特性と環境応答

小野圭介(農業環境技術研究所)

(4) 気孔開閉の環境応答の分子機構

射場  厚(九州大学)

休憩

(5) 気候変動下における寒冷地のイネ生産とそれを制御する遺伝子ネットワーク

下野裕之 (岩手大学)

(6) 生育モデルを用いた遺伝子-環境相互作用の理解

中川博視 (農研機構 中央農業総合研究センター)

(7) 屋外環境における植物の遺伝子発現の変動と機能

永野  惇(龍谷大学)

総合討論

お問合せ先(第29回気象環境研究会事務局)

〒305-8604 茨城県つくば市観音台3-1-3
国立研究開発法人 農業環境技術研究所 大気環境研究領域 桑形恒男
電子メール(開催事務局): metniaes2015@ml.affrc.go.jp

連携企画:

日本農業気象学会関東支部 2015年度例会
2015年11月20日(金)10:00〜12:00、つくば国際会議場 中会議室202

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