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環境中にあって、私たち人間を含めた生物の本来のホルモン作用をかく乱する物質を一般に「環境ホルモン」と呼んでいます。 環境ホルモンについてもっと詳しく知りたい方は |
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環境ホルモンの作用(内分泌かく乱作用)に関しては、これまで私たちが持っていた「ものさし」では測定が困難あるいは不可能であるため、これまでの検定法を改良するか、または新しい検定法を開発する必要があります。 | ||||||||||||
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1.d-rR系統メダカ* この系統のメダカは、体色は本来の性別と緊密に関連づけられているため、オスの黄色およびメスの白色は不変です。一方、生殖器官の性分化や尻ひれの形に代表される形状はホルモンの作用によって変化を受けやすい。本試験法では、メス特有の幅細・丸みのある尻ひれを有する個体は、生殖組織も卵巣へ分化している。これらの形質を利用して、性転換した個体を容易に検出することができます(図1)。 *d-rR系統メダカは、名古屋大学の(故)山本時男博士(1953)によって樹立された系統のメダカです。 |
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2.2週間の暴露による簡易検定 メダカ仔魚を試験物質に2週間曝露して、その後試験物質を含まない飼育水に移し、外見的に雌雄が判別できるまで40日間飼育する。そして体色と尻ひれの形状等の観察を行い、オスからメスに性転換した個体を調査します。この性転換率により内分泌かく乱の程度を判定します。この試験法を用いることにより、これまで多大な労力を要していた生殖組織の顕微鏡観察の作業を省くことができ、簡易な検定が可能になりました。また、これまで2ヶ月以上必要であった化学物質曝露期間が2週間に短縮できました(図3)。 |
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3.実施例 実施例として、弱い女性ホルモン作用を有する4-ノニルフェノールを本試験法にすると、300μg/l濃度区において75%の個体でオスからメスへの性転換が確認されます(図4)。また、水田で使用されることが多い除草剤のうち、メフェナセット、シメトリン、ベンチオカーブ、イマゾスルフロン、プレチラクロールに対して試験を行った結果、性転換した個体は検出されず、これらの農薬は女性ホルモン様作用を指標とする内分泌かく乱作用はないことが明らかになりました(図4)。 |
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